最近の「上司と部下の関わり」に思うこと。

最近、上司と部下の関わり方はずいぶん難しくなったように感じます。

昔のように「上司が部下を指導する」という一方向の関係ではなくなりました。

働く人の価値観は多様になり、仕事に求めるものも人によって違います。
また、ハラスメントへの意識が高まったこともあり、

「どこまで言っていいのだろう」
「余計なことを言わないほうがいいのではないか」

と、部下との関わりそのものに慎重になっている管理職も少なくないのではないでしょうか。

それ自体は悪いことではありません。

相手の考え方やプライベートを尊重することは、今の職場ではとても大切です。

ただ、最近少し気になるのは、「配慮すること」が「関わらないこと」に変わってしまうケースです。

部下が求めているのは「何も言われないこと」ではない

部下の立場からすると、細かく管理されたり、必要以上に干渉されたりすることは確かに負担になります。

一方で、

「自分の仕事を見てもらえていない」
「困っていても声をかけてもらえない」
「評価のときだけ突然話をされる」

という状態も、決して働きやすいとは言えません。

人は、放っておかれたいわけではないのだと思います。

むしろ、

必要なときには話を聞いてくれる。
仕事を見てくれている。
良いところは認め、必要なことはきちんと伝えてくれる。

そんな関係を求めている人は多いのではないでしょうか。

上司と部下は友人ではありません。

だからこそ、必要以上に距離を縮める必要もありません。

しかし、適切な距離を取ることと、関心を持たないことはまったく違います。

上司が「答えを持っている」とは限らない

もう一つ変わってきたのは、上司が必ずしも部下のキャリアの答えを持っているわけではなくなったことです。

以前なら、

「この仕事を経験して、次はこの役職を目指す」

という比較的分かりやすいキャリアモデルがありました。

しかし今は、転職、副業、専門職、管理職、独立、リスキリングなど、働き方の選択肢が増えています。

上司自身が経験していないキャリアを、部下が考えていることも珍しくありません。

そうなると、上司の役割も変わります。

「こうしなさい」と答えを与えることより、

「あなたはどうしたいのか」
「今の仕事で何を感じているのか」
「これから何を大切にしたいのか」

を一緒に考えることのほうが重要になってきます。

つまり、指導する人から、対話できる人へ。

これからの管理職には、そんな役割も求められているのではないでしょうか。

1on1は「面談をすること」が目的ではない

最近では1on1を導入する企業も増えています。

ただ、形式として月に一度30分話せば、それで関係が良くなるわけではありません。

大切なのは、1on1という制度そのものよりも、

普段から部下の状態に関心を持っているか

だと思います。

少し元気がない。
以前より発言が減った。
仕事への納得感が下がっている。
逆に、最近ある仕事では生き生きしている。

そうした小さな変化に気づける関係があれば、問題が大きくなる前に話すことができます。

これは人事制度だけでは作れません。

日々の小さなコミュニケーションの積み重ねによって作られるものです。

「管理」よりも「理解する」

上司と部下という言葉には、どうしても上下関係のイメージがあります。

もちろん、組織である以上、役割や責任には違いがあります。

しかし、人としては対等です。

部下を「管理する対象」として見るのではなく、

この人は何を大切にして働いているのだろう。
どんな仕事なら力を発揮できるのだろう。
今、何か困っていることはないだろうか。

と考える。

それだけでも、関わり方はかなり変わると思います。

上司が部下の人生を決める必要はありません。

部下のすべてを理解する必要もありません。

ただ、

「あなたのことを見ています」
「必要なときには話を聞きます」

という姿勢は伝えることができます。

上司と部下の関係が難しくなっている今だからこそ、そうしたシンプルな関わりが、以前より大切になっているのかもしれません。

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